走シンドローム

栃木×マラソン・ランニングの情報発信│1児の凡才パパランナーの走った記録、日常、思ったことなど

初100kmを城内坂ウルトラで③~思い上がり~

2018年9月30日に初100kmとして挑戦した城内坂ウルトラについて、出走記を書いています。詳しくは過去記事から…

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3周目の高舘山登りに入る頃にはヘッドライトもほぼいらないくらい明るくなってきた。2周目までと違い視覚的に激坂が襲ってくるが、同じように走って脚を進める。やはり最初の2周に比べるとキツい。視覚と脳というのは不思議なものだ。何とかペースも落とさず登りきり、さくっとエイドを済ませて下りへ。登りと打って変わって下りは「見える」分、かなり走りやすい。思った以上にペースも上がるが脚へのダメージは最低限になるように細心の注意を払う。
下りきった後も、うまくペースに乗って楽に走り続けることができた。経ヶ坂の登りも難なくパス。ここまできてしまえば2つ目のエイドを軽く済ませてまたスタート地点まで淡々と。

・3周目:59分

自分でもびっくりしてしまった。1時間切ってしまうとは。

ここでも補給は最小限にして、アミノバイタルゼリーを手に持ち4周目に入る。流石に気持ち的には疲れてきたので、少し長めに休みたいところだったのだが、3周ではなく4周終わったら休もうと決めていた4周ー3周ー2周ー1周作戦】だ。後に楽する。逆に、今楽してしまったら後が絶対もたない。。

しかし、ここまで順調にきていた身体に、4周目でついに疲れが出てきた。足取り重く高舘山を登る。脚が重くなると身体も重くなり、何故か腹痛もぶり返してきた。最悪だ。それでもこの高舘山は5周目までは絶対走って登ると決めていたので、何とか踏ん張る。まだまだ登り区間では周囲より速い。頂上のエイドで一呼吸ついた後、下りに入るが、思っているよりも脚が動かない。身体も重い。いやいや、まだ40kmも走ってないのに、と少し焦る。とりあえずこの周終われば一回休めるから。という気持ちと、いつもの弱い僕の歩いちゃえという声とが入り交じる。
なんとか粘っていた下り途中、ふと後ろから声が。「栃木30K出たんですか?」。そう、今日は昨年の栃木30KのロングTシャツで走っていたのだ。僕は知っての通り(?)栃木30Kの主催者なので、こういう話しかけられ方をするといつも少し戸惑ってしまうのだが、素性を明かすと話が弾んだ。相変わらずお腹は痛かったのだが、一人でずっと淡々と走っていたので楽しく話ながら走ることが新鮮で、足取りもかなり回復した。この後、一人で走っていたら恐らく厳しかったであろう田園地帯の直線1km強を楽しくおしゃべりさせていただき、すっかり身体は元気になっていた。その後の経ヶ坂登りで僕が前に行く形でお別れしたが、本当に彼女に助けられた。

4周目:1時間4分

結局あまりペースが落ちずにここまで来れたが、相変わらずお腹は痛くてすぐにトイレタイム。その後、待ちに待った大休憩にけんちん汁とそーめんを食べ、パンも頬張り、雨で冷たく重くなったTシャツを着替えてリフレッシュ。10分程度の休みだったが、気持ちを切り替えて次に進むと、これがびっくり、かなり身体が軽い。登りは相変わらずキツいが、下りで無理せずリズムに乗せてそのリズムのまま田園地帯1kmを走りきり、経ヶ坂の登りを終えてしまえば一旦エイドで補給とスタッフとのふれあいで気持ちも休まる。最後まで思ったのはこの経ヶ坂エイドからスタート地点までの2km強がすごく攻略しやすいということ。最初は下りだし、それに身を任せて走るといつの間にか9kmの曲がり角が見え、そこをパスしてしまえば残り1kmもない(9.7kmなので)。

5周目:1時間15分

食事をしたりの10分ちょっとの休憩を入れてこのタイムなので、実質は1時間ちょっとで回っていることになる。コースの特徴や走り方も抑えられたし、当初の予定からタイムは大幅に稼げている、なんと言っても6周目からは自分ルールで登りを歩いていいとになっているので、こりゃもう完走いけるんじゃないか??と甘いことを考えていた。

が、6周目の登りで4周目に感じた以上の脚の重さを感じる。初めて登りで歩いたのだが、走っていた時よりつらいし、走ることなんてできなくなっていた。何とか必死にたどり着いた頂上エイドで、ついいつもより長く休んでしまう。次の一歩が出ない中、何とか下り始めるが、脚が悲鳴をあげる。つらくなるのが急すぎる。5周目と6周目のこの差はなんだ??下りにも関わらず時折止まり、また走る。まだあと45km…。マイナスイメージが一気に頭を包む。下り切ってからの直線も、飽きるほど長かった。これから後半はずっとこの直線が一番嫌な区間だった。何とか走り続け、経ヶ坂も歩き、またエイドで休む。おっちゃんたちに励まされ、残り2kmを気力で走る。

・6周目:1時間17分

登りを歩き始めたので当たり前だがタイムが落ちる。にしてもこの重さは…疲れは…。1周回前に完走が見えていたなんてとんだ思い上がりだった。本来は7周目まであまり休まずに走ってしまい、残り3周にしておきたいところだったが、完全に気持ちが折れていた。どこで止めようか、とさえ考え始めていた。

ここで偶然、本当に偶然にも復活のきっかけが訪れることになる。ここからが本当の「ウルトラマラソン」の始まりだった。

 

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▼続編

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