走シンドローム

栃木×マラソン・ランニングの情報発信│1児の凡才パパランナーの走った記録、日常、思ったことなど

初100kmを城内坂ウルトラで④~ウルトラマラソン~

2018年9月30日に初100kmとして挑戦した城内坂ウルトラについて、出走記を書いています。詳しくは過去記事から…

kou90ersrun.hatenablog.com

 

6周目で完全に気持ちが折れていた僕。【4周ー3周ー2周ー1周作戦】で予定で、もう1周連続で走ってから休みたいところだった。「60km走って残り40km」と「70km走って残り30km」では全くわけが違う。しかし、この時点では一回ここで休んでしまい、残りいけるとこまでいこう、70か80でリタイアか?という気持ちが強かった。

トボトボとメインエイドに歩いていくと、50kmに出場していた知り合い2人がのんびり補給食を食べていた。てっきりもう走り終えているのかと思ったら「待ってましたよ~、早くあと1周いきましょう~」とのこと。全く状況が読めなかったが、なんと40kmを走ったあとに少し後ろを僕が走っているのを聞いて、ラスト1周一緒に走るために待っていてくれたのだという。
4周目きついところで話しかけてくれた女性といい、今回といい、僕は本当に運が良かった。もう休もうと思っていた気持ちを引き締め直し、この2人と共にあと1周走ってしまおうと決めた。

エイドのおにぎり、パンを頬張り、すぐに走り出す。ここまでほとんど1人で走ってきたので、気の知れた仲間と話ながら、しかもペースは遅くなった僕に合わせてくれて、最高の気分だった。登りは歩き、エイドでもスタッフの皆さんと話したりしながら、あっという間の1周だった。

・7周目:1時間29分

エイドで補給等をした分時間が長くなってしまったが、もうこの際時間ではない。このタイミングで1周歩を進めることができ、残りを3周に減らすことができたのは、かなり大きかった。身体は既にボロボロになっていたが、完走が現実味を増してきた。

本来はここで長めの休憩を取って残り30kmに備えようと思っていたのだが、完走が目に見えて、元気が出てきた。少し補給をしてまた走り出す。
いつの間にか雨も弱くなり、ポンチョを置いていってしまおうかと思ったが、また雨が強くなってびしょ濡れになるのが嫌だったので、結局最後まで着て走った。あと、地味に一番辛かったのが股擦れ。雨も相まってハーフパンツが股にくっつき、それが擦れて後半になるほどひどくなっていった。解消する方法がないので、放っておくしかないのだが…

ここまで来ると疲れはピークに達していてちょっと気を抜くと歩いてしまいそうになるが、今回学んだウルトラマラソンで大切なことは、遅くてもいかに走るところで走り続けるか(本来は、そうならないように事前練習すべきだが・・・笑)。城内坂ウルトラで言うと、2kmから4kmまでの山登りと、7kmの500m程度の急坂は「歩いて良い」ところ。だが、それ以外のところは決して妥協せずに走ること。特にスタート地点から山の入り口までは地味に登りになっている。ついつい歩きがちになるが、そのあと2kmも歩けるので遅くても走る。後は下りきった後の6~7kmの直線。下りの後で果てしなくて歩きたくなるが、ここも走る。逆にいうとこうやって1周を6区間くらいにわかりやすく分けられるこのコースは、キツくても集中は途切れず、攻略しやすいとさえ思った。

・8周目:1時間36分

2回の登りを歩き、エイドで1分ずつくらい止まり、他を遅くても走り続けるとこのくらいの1周のタイムになるよう。キロ10分を切ってるくらいのペースだ。
残り2周、まだ20kmも距離がある。普段の僕だと月に2回、走るかどうかくらいの長距離だが、この時は「たったの」20kmという気持ちだった。…というか、「1周走れば、ラスト1周」という感覚だ。

ここまでくると登りが本当に遅くなった。脚に手つき、進む。登りきったエイドで、「ラスト1周です。10周ありがとうございました!」と、笑顔でボランティアさんに話す女性がいた。あれ?序盤一緒に走ってた人じゃないか。やはり、ちゃんと練習してないと後半に差が出るなぁと思いつつ、エイドのおっちゃん「まだ走りきらない男もいるのに、大したもんだ!」と僕の目の前で。「残念ながらまだ後1周会いにきますよ!」と冗談混じりに笑い合う。楽しい。後からわかったことだが、この女性の方は100km女性1位の方だった。
ペースは相変わらず遅いのだが、もう止まることはない。いつもの走り方とはほど遠いが、脚を「使って」走れないのに前に進まなければいけないので、身体のあらゆる部分をフル活用している感覚がある。上体をひねり、腕を振り、骨盤を前後上下させる。思わぬ発見だ。極限になると普段使えていない部分を使うことができる。

・9周目:1時間36分

さっきと同じタイムだ。ああ、良かった、あと1周だ。何とか完走できるらしい。エイドでボランティアをしている知り合いに、「90分ある!13時間切り行けるよ」とハッパをかけられたが、もうそんなタイムに拘る気持ちはなかった(現在時刻:14時30分)。楽しく、もう1周走ろう。おにぎりを頬張りながら、またほとんど休憩せずに走り出す。事前に計画していたペース表より、移動するペースは遅いが休憩の時間は短い

最後の1周。ドラマと言うと大げさだが、思ってもいない出来事が起こった。

 

 ▼終章

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